「報酬を上げたのに、手取りが増えた実感がない…」そんなお声をよく聞きます。原因は所得税・住民税と社会保険料の増加です。院長の手取りを最大化するには、報酬額の設計を戦略的に行う必要があります。

報酬を上げると増えるコスト

所得税・住民税の累進課税

個人の所得税は課税所得に応じて5〜45%の累進税率が適用されます。住民税(一律10%)と合わせると、高所得では実質55%が税金に消えます。1,000万円の報酬増加が手取り450万円の増加にしかならないケースもあります。

社会保険料の負担

医療法人の院長は厚生年金・健康保険に加入します。社会保険料は労使合計で報酬の約30%程度。報酬が上がるほど負担も増加します。ただし、標準報酬月額には上限があります。

社会保険料の「上限」を活用する

厚生年金の標準報酬月額の上限は65万円(月額)です。これを超える報酬部分については、厚生年金保険料が増加しません(健康保険は上限が異なります)。このため、月額65万円を超える報酬増加分は、社会保険料の追加負担なく受け取ることができます。

手取り最大化のための4つの戦略

注意点

必ず守るべきルール
  • 配偶者への役員報酬は実態のある業務が前提
  • 役員退職金は功績倍率など計算基準を遵守
  • 役員報酬の改定は事業年度開始から3ヶ月以内が原則
  • 生命保険の活用は2019年以降のルール改正を確認

まとめ

院長の手取り最大化は「報酬を高くする」ではなく「税・保険料の構造を理解して設計する」ことが重要です。毎年の報酬改定の際に専門家と一緒に試算することをおすすめします。